
老犬の認知症の末期症状は?対処法や予防方法も紹介!

大切な愛犬が年を重ねるにつれ、「最近様子が違うかも」と不安を感じることはありませんか。
犬も人と同じように認知症になる可能性があり、症状が進行すると夜鳴きや徘徊、排泄の失敗など、今までできていたことができなくなります。そんな愛犬の姿を見ることは、飼い主にとって心苦しいと感じることがあるでしょう。
しかし、症状を正しく理解し、できるケアを知っておくことで、愛犬が少しでも穏やかに過ごせる時間を作ってあげられます。
本記事では、老犬の認知症に見られる末期症状と対処法について解説します。
人と同じように、高齢になると犬も認知症になることがわかっています。
犬の認知症は、正式には「認知機能不全症候群(CDS)」と呼ばれており、人のアルツハイマー病に似た症状が表れると考えられています。
主に、刺激に対して反応が鈍くなったり、学習能力や記憶機能が低下したりすることで、徘徊・夜鳴き・昼夜逆転などの症状が認められる病気です。
認知症の徴候は犬の年齢とともに上昇傾向にあり、13歳になると70%を超えたという発表もあります。(※)
予防法や根本的な治療など詳しくはまだわかっていない部分も多く、対症療法により症状を遅らせたり、愛犬の生活の質を確保したりすることが重要になります。
犬の認知症は、シニア期から徐々に症状が表れ始める病気です。症状はさまざまで、環境が変わることで新たな症状が表れることもあります。
予防法や対処法を考える際、まずは認知症としてどのような症状が出やすいのかを把握しておくことが重要です。
そこでここでは、認知症の末期によく見られる症状をピックアップし、解説します。
老犬の認知症では、睡眠に関するトラブルが見られやすいとされています。例えば、不眠になり夜寝られないケースや、日中に寝る時間が増えて夜中に眠れなくなる昼夜逆転などが挙げられます。
健康な犬の睡眠時間は、一般的にはおおむね次のとおりです。ただし、その子によって適した睡眠時間は異なり、老犬でも起きている時間が長い子もいれば、成犬でよく眠る子もいます。
犬の年齢 | 平均的な睡眠時間 |
パピー期(1歳ころまで) | 18時間〜19時間 |
成犬期(1歳〜7歳) | 12時間〜15時間 |
シニア期(7歳以上) | 18時間〜20時間 |
もともと老犬はよく眠るのが一般的ですが、認知症が進むと昼夜の習慣が乱れて昼間に寝るようになり、夜寝なくなる症状が表れることがあります。
認知症の末期症状では、同じ場所をぐるぐる回ったり、目的なく部屋を徘徊したりするようになります。
これは認知症による見当識障害が原因で、「自分が今いる場所がわからなくなる」「家具や壁の構造が理解できなくなる」ことにより徘徊してしまう症状です。
進行すると、部屋の角や家具の隙間から出られなくなり、その場で立ち尽くしてしまうことがあります。
また、視力や聴力の低下により、目の前に飼い主がいるのに認識できず、探し回っている可能性も考えられます。
高齢の犬がぐるぐる回る原因や対処法については、「老犬がぐるぐる回る原因は?対処法や普段からできるケアも紹介!」で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
認知症が末期に入ると、排泄に関するトラブルも増えてきます。
トイレの場所や排泄のタイミングがわからなくなることで、今まで問題なくできていたトイレでの排泄が徐々に難しくなってしまいます。
ただし、排泄の問題は認知症だけが直接の原因とは限りません。筋力や体力の低下によってトイレに間に合わず失禁してしまったり、尿漏れを起こしたりと、高齢になると複数の要因が重なって、排泄が重用にできなくなるケースも見られます。
認知症が進んだ老犬は、ちょっとした環境の変化や日常の出来事にも強く反応し、不安やストレスを抱えやすくなります。
緊張や恐怖心が高まると、その場に立ちすくんでしまい、動けなくなることも珍しくありません。
さらに、自分がいる場所がわからなくなったり、飼い主の顔を認識できなくなったりすることで、強い孤独感や混乱を覚えやすくなります。
こうした心理的負担が積み重なると、恐怖心から身動きが取れなくなる姿が見られることがあります。
老犬の認知症では、症状が進むと夜鳴きがひどくなるケースがあります。夜鳴きとは、不安や要求により、夜中に吠えたり鳴いたりする行動です。
パピー期や成犬期に見られる夜鳴きは、要求吠えや分離不安からくるものもあり、しつけが重要とされていますが、シニア期の夜鳴きは認知症からくるものが少なくありません。
認知機能の低下により、昼夜逆転して夜中に意味もなく鳴いたりすることがあります。また、飼い主がいない不安や今いる場所が思い出せない恐怖を感じているケースも考えられます。
夜鳴きの原因や対処法については、「老犬の夜泣き耐えられない!原因や対処法を徹底解説」で詳しく解説しています。
犬が認知症になると、睡眠障害や排泄時のトラブルなど、さまざまな症状が表れます。
認知症は愛犬が年齢を重ねると誰でも発症する可能性のある病気ですが、年齢を理由に放置すると、症状が悪化するケースもあるため注意が必要です。
ここでは、愛犬に認知症の症状が表れたときにできる3つの対処方法を解説します。紹介した認知症の末期症状が見られる場合の参考にしてみてください。
認知症のような症状が表れたら、まずは動物病院を受診しましょう。
犬の認知症はその子によって表れる症状の種類や強さが異なるため、個々の状況に応じた対策が重要です。
獣医師の診断を受けることで、飼い主が気付かない症状を見つけたり、認知症の症状に隠れた病気を発見できたりする結果につながります。
医学的に効果的な対処法や獣医師の経験からくるアドバイスを聞けるため、精神的な支えになるでしょう。認知症の末期症状でなくても、気になる症状があれば早めの受診がおすすめです。
認知症による昼夜逆転による夜鳴きなど、睡眠に関するトラブルには毎日の散歩や日光浴がおすすめです。
日光を浴びることで昼夜の区別を認識させ、夜間に眠ってもらいやすくなります。適度な刺激を与えることで自然な疲れを感じ、眠りやすい環境を整えてあげることにもつながります。
また、散歩は犬の認知症予防や症状を遅らせる対策としても、注目されている方法です。
実際に、認知症の症状があると答えた飼い主の犬(14歳〜18歳)は、「散歩に行かない」場合より「散歩に行く」ほうが少ない傾向だったとする調査もあります。(※)
犬の認知症では、まだ有効な治療方法がわかっていません。しかし、認知機能に関係する栄養素を積極的に摂取するなど、栄養面での対策も注目されています。
認知機能によい影響をもたらすとされている主な栄養素は、以下のとおりです。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
EPA(エイコサペンタエン酸)
オメガ3脂肪酸
葉酸
ビタミンA・C・E
人間とは異なり、食べられない食品も多い犬の場合、上記の栄養素を摂取しようとするのは困難です。そこで、犬用サプリメントを活用し、普段の食事では足りない栄養素を補ってあげましょう。
愛犬にとって飼い主との触れ合いは、安心感を与えるだけでなく認知症の予防にもつながります。遊んだり話しかけたり、積極的にスキンシップを取り入れてあげましょう。
一人で過ごす時間が長く続くと、不安や孤独感が強まり、認知症の進行を早める要因になることもあります。
ブラッシングなど、些細なことでも愛犬にとっては大切なコミュニケーションになります。
また、散歩や室内で一緒に遊ぶ時間を作ることも効果的です。飼い主との関わりをできるだけ増やすことが、心身の健康維持につながります。
認知症の症状が出ていない場合や、症状の程度が軽い場合は、日常からできる予防方法を試してみましょう。おすすめの予防方法は、以下のとおりです。
粗相しても叱らず受け入れてあげる
常にスキンシップをとって一緒に過ごす
普段と違うことをして脳に刺激を与える
ここでは、普段から取り組みやすい3つの予防策を解説します。
普段はできていたのにトイレの失敗が続くと、掃除や洗濯など飼い主にとって大きな負担になり、ついつい叱りたくなるかもしれません。
しかし、トイレの失敗は飼い主だけでなく、愛犬もうまくできない悲しみや怒りを抱えていることがあります。
認知症であっても、「失敗してしまった」と感じていることがあるため、叱らずに「大丈夫だよ」と安心させてあげることが大切です。
粗相が続くようなら、おむつを利用するなど掃除や洗濯の手間を減らせるグッズの活用もおすすめです。
認知症予防には、愛犬にいつもと違う体験をさせて脳に新しい刺激を与えることが大切です。
刺激の少ない単調な生活が続くと、脳の働きが低下しやすくなり、認知症の進行に影響を及ぼすことがあります。
普段行かない場所にお出かけする以外にも、散歩コースを変えてみるなど、ちょっとした変化でも愛犬にとってはよい刺激になります。
お留守番させなくてはならない場合は、知育玩具など頭を使って遊べるおもちゃを準備するとよいでしょう。
犬の認知症では、睡眠障害や徘徊、排泄トラブル、夜鳴きなどさまざまな末期症状が表れます。
少しでも穏やかな日々を過ごせるよう、症状を遅らせる予防法や愛犬が過ごしやすくなる工夫を意識しながら向き合っていきましょう。
特に末期になると、症状が進んで飼い主の負担も大きくなります。進行の仕方や表れる症状は犬によって異なるため、飼い主が一人で抱え込まず、獣医師に相談しながら適切に対応していくことが大切です。


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