
老犬の目やにが増える原因と対処法を解説!

愛犬がシニア期に入ってから「目やにが増えた気がする」「なんだか目が汚れていることが多い」と気になっている飼い主の方も多いのではないでしょうか。
実は、老犬になると目やにが増えることはめずらしくありませんが、色や状態によっては病気のサインである場合もあります。
本記事では、老犬に目やにが増える理由から、色・状態別に見るサイン、自宅でできるケアの方法、動物病院を受診すべきタイミングまで幅広く解説します。
愛犬の目やにが以前より目立つようになったとき、「老化のせい?」「それとも病気?」と判断に迷うこともあるでしょう。まずは目やにの基本と、老犬に増えやすい理由を整理しておきましょう。
目やには、涙や目の粘膜から分泌される粘液、古い細胞のかけら、ほこりや雑菌などが混ざり合って固まったものです。人間でも朝起きたときに目頭に溜まることがありますが、犬も同様に、健康な状態でも少量の目やには自然に生じます。
量がごく少量で、色が白〜薄いベージュ程度であれば、多くの場合は生理的な範囲内です。ただし、急に量が増えたり、色が変わったり、目が赤くなるなどの変化があった場合は、何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。
犬も年齢を重ねるにつれて、さまざまな身体機能が変化していきます。目に関しても例外ではなく、以下のような変化が目やにの増加につながることがあります。
涙の分泌量や質が変わる:加齢により涙の量が減ったり、涙の成分バランスが崩れやすくなります。
免疫機能が低下する:細菌や炎症に対する抵抗力が落ちるため、目の粘膜が刺激を受けやすくなります。
まぶたや周辺の筋肉がたるむ:まぶたの形が変化し、目に刺激が加わりやすくなることがあります。
こうした変化が重なることで、若い頃にはさほど目やにが出なかった犬でも、シニア期に入ってから目やにが増えるケースは少なくありません。
朝起きたときに目頭や目尻に少量の乾いた目やにがついている程度であれば、基本的には正常な範囲と考えられます。色は白〜薄いベージュで、軽くふき取れる状態であれば過度に心配する必要はありません。
一方で、次のような状態が見られる場合は注意が必要です。
以前と比べて明らかに量が増えた
黄色・緑・茶色など色が変わった
ドロっとしていたり、粘り気が強い
目が赤くなっている・腫れている
目を気にして頻繁にこすっている
こうした変化がある場合は、何らかの原因が潜んでいる可能性を視野に入れて観察を続けることが大切です。
目やにはその色や状態によって、体の状態を知る手がかりになります。愛犬の目やにを確認するときは、量だけでなく「色」と「状態」もあわせてチェックしてみましょう。
白や透明で、水っぽいサラサラした目やには、多くの場合は生理的なものです。涙の蒸発や、ほこりなどの外部刺激に対する自然な反応として生じることがあります。
ただし、量が多くいつも目が濡れているような状態が続く場合は、涙がうまく排出されずに溢れている「流涙症」の可能性もあります。量の変化に気をつけながら観察しましょう。
黄色や緑色で粘り気の強い目やには、細菌感染や炎症が起きているサインである可能性があります。結膜炎や角膜炎など、治療が必要な目の病気が隠れていることもあるため、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
特に、目やにの量が急増したり、目の充血・腫れを伴っている場合は要注意です。
茶色や赤茶色の目やには、涙に含まれる成分が酸化・変色したものが多く、特に目の周りの毛が白い犬(マルチーズやビションフリーゼなど)では「涙やけ」として目立ちやすい傾向があります。
涙の分泌量が多い状態が続いているサインでもあるため、流涙症やアレルギーなど、根本的な原因がないかを確認することが大切です。
目やにに加えて、白目の充血や目の周りの腫れが見られる場合は、感染症や眼疾患のサインである可能性が高くなります。
こうした症状が複数重なっているときは、自己判断でケアを続けるよりも、早めに動物病院で診てもらうことを優先しましょう。放置すると症状が悪化したり、視力に影響が出るケースもあります。
老犬に目やにが増える背景には、さまざまな原因が考えられます。「年のせいかな」と見過ごしてしまいがちですが、中には治療が必要な疾患が隠れていることもあります。
老犬になると、涙腺の働きが衰えることで涙の量や質が変化し、目の表面が正常に保たれにくくなります。また、免疫機能の低下により、細菌や炎症に対する抵抗力が弱まるため、目やにが出やすくなる傾向があります。
これらは加齢に伴う自然な変化ではありますが、定期的なケアや早期発見によって悪化を防ぐことができます。
涙の分泌量が著しく低下した状態を「乾性角結膜炎(ドライアイ)」といいます。目の表面が乾燥することで刺激を受けやすくなり、粘り気の強い目やにが出やすくなるのが特徴です。
老犬に多く見られる疾患のひとつで、悪化すると角膜に傷がついたり、視力低下につながることもあります。点眼薬による治療が必要なケースが多いため、疑わしい場合は獣医師に相談しましょう。
目の粘膜(結膜)や角膜に炎症が起きると、目やにが増えたり充血したりする症状が現れます。細菌・ウイルス・カビなどの感染によって引き起こされるほか、異物の混入や外傷がきっかけになることもあります。
黄色や緑色のドロっとした目やにが出ている場合は、こうした炎症が起きているサインである可能性があるため、早めの受診をおすすめします。
老犬になると、まぶた周辺の皮膚や筋肉がたるみ、まつげが目の内側に向いてしまう「逆さまつげ」が起きやすくなります。まつげが角膜を刺激し続けることで、目やにの増加や炎症の原因になります。
また、まぶたが内側に巻き込まれる「眼瞼内反症」や外側にたるれる「眼瞼外反症」も、シニア犬に見られやすい状態です。外科的な処置が必要になるケースもあるため、まつげや目の形が気になったら専門家に相談してみましょう。
花粉・ほこり・食事などのアレルゲンが原因で、目に炎症や過剰な涙・目やにが現れることがあります。老犬では免疫機能のバランスが崩れやすいため、若い頃にはなかったアレルギー反応が新たに現れるケースもあります。
アレルギーが疑われる場合は、原因物質の特定と除去が根本的な対処につながります。
老犬に多く見られる目の病気として、水晶体が白く濁る「白内障」や、眼圧が上昇する「緑内障」があります。これらが進行すると目やにが増えることがあるほか、視力の低下や失明につながる恐れもあります。
特に緑内障は眼圧の急激な上昇によって激しい痛みを伴うことがあり、進行が早いため早期発見・早期治療が非常に重要です。シニア期に入ったら、定期的な眼科検診を受けることを検討しましょう。
目やにのケアは、毎日のルーティンに取り入れることで、目のトラブルを早期に発見するきっかけにもなります。正しい方法で行うことが大切です。
目やにを拭き取る際は、コットンやガーゼを湿らせたものを使い、目頭から目尻に向かって優しくふき取るようにしましょう。
無理にこすったり、爪が当たったりすると目の粘膜を傷つける恐れがあるため注意が必要です。固まった目やにを無理に取ろうとするのではなく、湿らせたコットンを数秒当てて軟らかくしてから取り除くと、犬への負担を減らすことができます。
また、両目を同じコットンでふき取ると、片方の目に炎症がある場合にもう片方にも菌が移るリスクがあるため、必ず片目ごとに新しいコットンを使いましょう。
目やに取りに使えるアイテムとして、以下のようなものが挙げられます。
コットン・ガーゼ:水またはぬるま湯で湿らせて使用する。肌触りが柔らかいものを選ぶとよい。
ペット用ウェットティッシュ(目周り用):市販のペット向けアイシートやアイローションを含ませたコットンも活用できる。
ペット用目薬(洗眼液):獣医師に相談のうえ、適切なものを使用する。
人間用の目薬や除菌ウェットティッシュは成分が異なり、犬の目を刺激する場合があるため使用しないようにしましょう。
目やにのケアでやってしまいがちな行為と、その理由を確認しておきましょう。
綿棒を使う:目の周りの敏感な皮膚や粘膜を傷つける危険性があります。
人間用の目薬を使う:犬に適した成分・濃度ではないため、刺激や炎症を引き起こすことがあります。
力強くこする:角膜や粘膜を傷つけるリスクがあります。
固まった目やにを無理に剥がす:皮膚を傷める原因になります。
自宅でのケアで対応できる場合もありますが、次のような症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
以下の症状が1つでも当てはまる場合は、自己判断でケアを続けるのではなく、獣医師に診てもらうようにしましょう。
目やにが急に増えた
目やにが黄色・緑色でドロっとしている
目が充血している・白目が赤い
まぶたが腫れている
目を頻繁に気にしてこすっている
目が開きにくそうにしている
涙が常に流れている状態が続いている
目が白く濁ってきた
特に、充血・腫れ・目やにが複数重なって現れているときは、早急な対応が必要なケースがあります。
動物病院では、目の状態に応じてさまざまな検査が行われます。代表的なものとして、涙の量を測るシルマー試験、眼圧を測る検査、角膜の傷をチェックするフルオレセイン染色などがあります。
治療は原因によって異なり、細菌感染による炎症には抗菌点眼薬、ドライアイには人工涙液や免疫抑制剤の点眼、逆さまつげや眼瞼の異常には外科的処置が行われることもあります。
「様子を見ていれば治るかも」と放置してしまうと症状が悪化する恐れがあるため、気になる変化があれば早めの受診を心がけましょう。
老犬の目のトラブルは、日頃のケアと観察の積み重ねによって早期発見・予防につながります。特別な準備は必要なく、毎日の生活の中に取り入れられるものばかりです。
まずは毎朝、愛犬の目の状態を確認する習慣をつけましょう。目やにの量・色・状態をチェックするだけでよく、時間はほんの数十秒で十分です。
目やにがついていれば、湿らせたコットンで優しくふき取ります。顔周りの毛が長い犬種の場合は、毛が目に入りやすいため定期的なトリミングも欠かせません。
こうした日々の観察が、異変の早期発見につながります。
目の健康を維持するために、栄養バランスの取れた食事を与えることも重要です。特に、抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンEは目の粘膜の健康をサポートするとされています。
シニア犬向けに配合されたドッグフードには、こうした栄養素が考慮されているものもあります。サプリメントを取り入れる場合は、獣医師に相談のうえ、愛犬に合ったものを選ぶようにしましょう。
老犬期に入ったら、少なくとも半年に1回は動物病院での健康診断を受けることをおすすめします。目の疾患の中には、初期段階では症状が出にくく、気づいたときには進行しているケースもあります。
定期検診によって目の状態を定期的に確認することで、早期発見・早期治療につなげることができます。「何もなければそれでよし」という気持ちで、気軽に受診する習慣をつけておくと安心です。
今回は、老犬の目やにについて、基本的な知識から色・状態別のサイン、主な原因、自宅でのケア方法、受診の目安まで解説しました。
老犬に目やにが増えること自体はめずらしくありませんが、色や状態、量の変化によっては病気が隠れていることもあります。
「老化だから仕方ない」と見過ごさず、毎日の観察と適切なケアを続けることが、愛犬の目の健康を守る第一歩です。気になる症状があれば、早めに動物病院を受診し、獣医師に相談するようにしましょう。


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